As for the parasite, Ekinokkokusu
As for the parasite, Ekinokkokusu
エキノコックスとは
 エキノコックスとは、北海道にのみ見られる寄生虫の一種で、キタキツネや犬から排泄されるエキノコックスの卵が、人の口に入ると感染する。ほとんどの場合肝臓に寄生し、自覚症状が出るまで十〜十五年にも及ぶらしい。放っておけば、握り拳以上の大きさに成長し、重大な肝臓障害を起こし最後は死に至る。エキノコックスの恐ろしい点は、知らないうちに感染し、気づいた時には手遅れというケースが少なくないからである。
 かつては、道東地域の風土病と言われた時期もあったが、今や北海道全体の92%にも及ぶ194市町村で分布が確認されている。北海道を旅する者にとって、エキノコックスに対する知識と予防対策は、必須事項である。
キタキツネの生息数と感染率
 自然の中で、エキノコックスは、キタキツネや犬、ノネズミなどに寄生している。感染している動物の糞と一緒に下界にばらまかれ、これが草についたり、水に流されたりして、人間の体内に入ると感染が起こる。その最大の宿主であるキタキツネは、道内で五万〜十万頭と推定されている。そのキツネの感染率も次第に高くなっており、現在、38%に達しているという。新規患者数は、毎年五〜二十人で急増する気配はないが、油断はできない。
どんな人に多く感染しているか
 キツネは、牛や豚の胎盤など畜産廃棄物を好んで食べるうえ、家畜用の餌もある畜産施設の周辺を徘徊することが多く、患者には畜産関係者が多いという。次いで多いのは、山歩きをする人たちで、野イチゴなどを摘んでそのまま食べることによって感染するという。また、観光地などで、かわいいからと言って無防備に近づき、餌を与えるなどという行為は、厳に慎まなければならない。
エキノコックス対策
1.野イチゴや山菜は良く洗ってから食べる。
2.清流と言えども生水は飲まないこと。飲む場合は、必ず沸かして、エキノコックスの卵を殺してから飲む。
 登山者に聞くと、流れる水ならば飲む人が多いようだ。100%安全ではないけれど、その確率は極めて低く、そんなに神経質になることもない、という人もいる。
3.湧水も100%安全とは言えない。ところが、沢登りの人たちは、結構飲んでいるようだ。私も飲んでいるから、もしかして感染しているかも?
4.手洗いの励行。
5.集団検診を受けること。検診で見つかった場合の治癒率は100%に近いという。